No.196 生きてる間に死んでる場合じゃない!

2018年

私は左眼が見えなくなりました。
正確には、すりガラス越しに景色を見ている状態で、
右眼だけで必死に視ていました。

知り合いの視能訓練士さんに相談し、
すぐに受診。
『ぶどう膜炎』でした。
サルコイドーシスやベーチェット病などの指定難病に罹患した時、
併発する眼の病気。。。

眼科の先生はすぐに血液検査をしてくれて、
あれよあれよという間に
血液リウマチ科の患者となりました。
診断は『強皮症』
間質性肺炎や肺性高血圧を起こすと重篤化する
国が指定する難病でした。

40代前半から、寒い時に指先から血の気が引き
冷えて感覚がなくなるレイノー現象があったり、
急激に白髪が増えたり、口の中が乾燥して舌が真っ白になったり、
疲労しやすく、疲れが取れないこともしょっちゅうありました。
ただ、これらが難病の症状とは思っていませんでした。

この頃、個人事業主として独立を果たし、
やっと軌道に乗ったところ。
この病気が明らかになってからしばらくは毎日泣いていました。
生きてるのに死んでる状態でした。



2019年

1年間は目の前の仕事に必死で取り組みました。
コーチングの仕事をしていると、
自分を奮い立たせることができたので、
自然に前を向くことができました。

その時の私にとって『前を向く』とは、
まずは『顔を上げること』から始めていたと思います。


病気の診断から1年が経とうとしていた頃、
私が地方校代表を務める銀座コーチングスクールのイベントがありました。
そこで、代表の森英樹氏より
『コーチングを社会貢献に生かしていこう』
という言葉があり、
この日から『社会貢献』という言葉が私の頭から離れず、

自分の人生・やりたいこと・強み
社会の課題・求められる役割・長所


を軸にビジョンを真剣に考えるようになりました。

今思うと、
生きてるのに死んでいたあの時間が非常に勿体なく思います。

生きているのに死んでる場合じゃなかった!!




2019年~2020年

病気というイベントは、私に命の使い方を教えてくれました。

間もなく私は2025超高齢化に着目し、
地域密着型通所介護事業所の立ち上げを決意したのです。

看護師業務から数年間離れていたため、
訪問診療クリニックで看護師業を再開。地域医療に身を置きました。
会社設立、開業準備、融資交渉、物件探し、等々
途中、コロナの荒波が押し寄せ、逆風が吹きましたが、
クラウドファンディングを行うことで支援者の力強い激励が私を後押ししました。

2020年12月、準備1年で開業が実現。
この間にも、3ヶ月ごと→半年ごと→1年ごと
の検査と受診を真面目に受け続けてきました。

そして、開業からもうすぐ1年の本日2021年11月16日。
前週の検査の結果、晴れて診療終了となりました!!!

今後、重篤化の可能性が低いだろうという主治医の判断でした。

最後の診察室では、先生と色々お話ができました。
デイサービスを開業したのは病気があったからで、
生きてる間に死んでる場合じゃないと思ったことや、
1年経とうとしている今、職員に現場を任せて受診に来れていることなど・・・
先生はとても嬉しそうに話を聞いてくれました。
診察に立ち合った看護師さんも、
『これで診察終了です!予約も必要ありませんよ!風間さん、頑張ってくださいね!!』
と会計への案内に言葉を添えてくださいました。

嬉しくて泣きそうでしたが、重い足取りで歩いた外来の廊下を
軽い足取りで歩いている自分を感じ、清々しい気持ちになっていました。

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『生きてる間に死んでる場合じゃない』から生き返るには、

『前向きになる』こと。
まず顔を上げ、行動を起こすことから始まる。

届けたい人に
この想いが届くといいな・・・